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「Web」とはなにか?じっくり考えてみた(2014年)

「Web」について今の自分が考えてることを記録として書いてます。去年に続き三回目です。タイトルに2014年が入ってるのは時間と共にWebのあり方や自分の考えも変わっていくからです。

はじめに

毎年恒例の記事三年目です。

今年の内容は「Webデザイン」に収まらないのでタイトルを少し変えました。
更にwebの範疇を超えて”インターネット”に該当するであろう部分まで触れてますが、切り離して考えられないので”インターネット”も含めて考えています。

この記事は2013年の総括や2014年のトレンドではなく、Webについて今の自分が思ってることをつらつらと書いてます。異なる意見があって当然だと思ってますし、正解を出したい訳でもありません。
自分の考えを整理するため、そして読んでくれた方がWebについて考える一つのきっかけになったら良いなと、そのくらいの気持ちでいます。

webサイトとは?

Webが世に出てきたときは当然全く新しい媒体であったため、特にデザインの面では印刷のデザインが多く反映され、それはWebデザインの手法や発達を促してしてきました。
今でもその影響は色濃く残ってますが最近少しずつその形や捉え方が見なおされ始めてます。

少し前ではWordsというサイトが話題になりました。Motherfucking Websiteもこれに近しい捉え方です。

このようにWebサイトのあり方についての記事は以前からも何度となく言われてました。特に自分はA Dao of Web Designには共感できる部分が多く、何度も読み返してます。Webは柔軟な媒体であること、コントロールを放棄すること、などが書かれてます。

The control which designers know in the print medium, and often desire in the web medium, is simply a function of the limitation of the printed page. We should embrace the fact that the web doesn’t have the same constraints, and design for this flexibility. But first, we must “accept the ebb and flow of things”.

A Dao of Web Designより抜粋

そして現在のマルチデバイス化に伴い、その考え方は更に広がりつつあります。
どのデバイス、どの環境でも一様に同じように見せることの限界、そもそもピクセルパーフェクトがWebに最適ではないのではないか、それらが再考されています。

Webは他のメディアとはまた異なるメディアなので、他のメディアの模倣ではなくやはりWeb独自の進化をするのが自然な形です。ここ数年でまたWebは大きく変わろうとしている、そう感じてます。
今までの考え方に囚われず、Webはどう進化してくのか?それについて今後考えていきたいと思ってます。

マルチデバイスのその先

Device pile
「Device pile」via flickr photo by Jeremy Keith

日常生活でスマホ、タブレットなどを自然に目にするようになりマルチデバイス化社会と言われるようになりました。そしてマルチデバイスの流れは更に加速していくでしょう。

ただ現在のところ実際に感じるのは、マルチデバイスと言えどもまだ特定のデバイスだけを意識してるケースが多いようです。掘り下げればスマホ、タブレットでもどのように分類していいか分からない微妙なサイズのものも出てきてます。またネットにアクセスできるデバイスはその他にもゲーム機、テレビなどあります。

ゲーム機やテレビなどはまだ使用される割合が非常に少ないので無視されるのが妥当なところでしょう。しかし、とある海外の銀行では2011年の時点で20人のユーザーがPlaystation3からアクセスしてきたと発表があります。
この数値を多いと思いますか?少ないと思いますか?

通常のサイトならまだしも、銀行のようなお金を扱うサービスでは例外はあってはならないでしょう。そして普通のサイトでも今はごくわずかのアクセス数かも知れませんが、少しずつその割合は変わっていくでしょう。

下記の動画は未来のコンセプトムービーです。

この動画に出てくるプロダクトはまだ世にないものばかりですが、ひとつひとつの機能を切り取るとそれらの殆どは現在でも可能な技術ばかりです。ものによってはデバイスと言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、とにかくあらゆるスクリーンでWeb(インターネット)にアクセスすることは可能な時代になるでしょう。

そのような社会になった時、今と同じような感覚でマルチデバイス対応を捉えていて対応できるでしょうか。何十、何百とあるデバイスひとつひとつこと細かくコントロールしようとするのはかなり無理があります。

「Webサイトはコントロールできない」状況になります。

個人的に考えてることとして、Webサイトには今のような整えられたページという概念はなくなり、コンテンツはWeb上にデータとして存在して各デバイス、各状況に応じて最適に届けられる形をイメージしてます。

レスポンシブWebデザインの基礎
レスポンシブWebデザインの基礎より抜粋

ただコントロールできないと言っても、セマンティックなマークアップやスキーマなど情報に意味づけして用意しておくなど、できることはあると考えてます。あとはロボットやデバイスなどの精度が上がって自然に最適な情報を取得できるようになるといいのですが。コントロールできる部分と出きない部分、そのへんの割り切りも必要になってくるのかなと思います。

その部分はもっと掘り下げて考えてく必要があるでしょう。

デバイスの変化

Google Glass
「Google Glass」via flickr photo by JWilbert Baan

長いことWebに関わってる人にとってはWebというものは家庭またはオフィスのPCから閲覧するもの、という感覚だったのではないでしょうか。
しかし現在はネット環境も整いラップトップも軽量化してどこからでもアクセスできるようになり、スマートフォンやタブレットなどで携帯して気軽にアクセスできるものになりました。

デジタルネイティブと呼ばれる世代ではネットはあって当然の感覚だと聞きます。

また昨年は数多くのウェアラブルが発売されてました。ウェアラブルはまた他のデバイスと違った形でWeb(インターネット)と関連するデバイスです。全てのウェアラブルがWebと関連してるわけではないですが、非常に近いところにはあります。

今後もウェアラブルのようにWebと関連したプロダクトは更に増えていくでしょう。また最近はWeb(インターネット)と非常に関連の高いプロダクトも続々でてきてます。

このようなデバイスの進化によりネットへの関わり方が変わってきてます。今やWeb(インターネット)は生活のハブとして存在してます。

Webサイト制作者にとってウェアラブルなどは直接的に関係がないと思われるかも知れませんが、Webはそういう狭い視野で収まる世界ではなくなってきています。
またそのようなデバイスの変化によって制作にも影響を及ぼす可能性は大いにあります。スマホ登場以後アプリというものが普及しました。またWebサイト制作も大きく変わりました。
新しいデバイスの使われ方、使われるシーン、大きさ、入力デバイス、形、etc…。それらの普及によるWebへの影響も考えてく必要があります。

結局興味を持とうが持たなかろうがそういう流れに巻き込まれてくのだと思います。

さらに言えば一見Webと関係ないことでも繋がったりすることもあるでしょう。もっと広い視野、極端な話Webとは全く関係ないオフラインも広く見る視野を持たないとなと思ってます。

制作環境の多様化とプラグラミングスキル

制作の現場から。
Web制作でプログラムが関与しないプロジェクトはかなり数が少なくなってます。
今までのWebサイトは見れれば十分なことが多かったですが、動きをつけたりデータを扱ったりとプログラムを使用するケースが増えてます。

そしてそれは制作するサイトだけでなく、制作環境にも影響してきています。去年の記事にも書きましたが制作環境は多様化してきてます。

CSSプリプロセッサーやCSSフレームワーク、git、Static Site Generator、Grunt、Yeomanなどなど。このようなツールをうまく取り入れてくことでより便利に早く制作を行うことが可能になります。

もちろんこれらを用いなくても制作はできますし、実際にそれらを一切使わずに制作することもあります。
では、いろいろな手法・ツールを知ってる人が得をするだけかと言うとそれでもなくなってきてます。

このように制作環境も多様化してくると仕事を共にする相手によって、環境に差が出てきます。(ツールによってはそうでないケースもありますが)共に仕事をする場合はやはりそれぞれが同じ環境、同じツールを使えるのが理想です。
そういう意味でどれだけのツールを使える使えないか、知ってる知らないかは、今後仕事の幅を広げたり狭めたりするでしょう。

また最近のツールは、コマンドラインで操作したり、プログラムの考え方が必要なものが増えてます。世の中も「これからはプログラミングスキルは必須だよね」的な流れになってきてます。職種によっては別にそこまで高いレベルは必要ありませんが、やはり基本的な部分や考え方を知る程度でも考えの幅やできることの差が変わってきます。

そういう流れの中で脅迫観念的にやらなければと捉える人もいるかもしれませんが、いち制作者の立場として言えば単純に自分が作りたいと思うものを作れることは楽しいことです。
幸いなことに今は学べる機会も非常に整っています。

[参考]
Why Learning To Code Will Help You Think More Critically | Pencil Scoop | Design & Creative Blog

アダプティブデザイン

smartphone

アダプティブデザインの定義にはいろいろあるのですが、ここでは“ユーザーのコンテキストに合わせて情報を届ける”という意味で捉えてます。

とにかく現在は情報が溢れていて、キュレーションが注目されるように本当に必要な情報を選別することが求められています。そのような状況であるのでユーザー個人個人に最適化した情報を届けられるのは非常に有益です。

マルチデバイス対応のひとつであるレスポンシブWebデザインは、原則としてはスクリーンサイズに最適なレイアウトを提供する手法でユーザーの状況に対応する手法ではありません。
ただ現実としてそれだけでは十分ではないので、表示速度の最適化や提供されるデバイスの特徴を想定しながら構成やUIの調整を行っていきますが。

ガラケーの時代、PCとガラケーは全く異なるデバイスとして明確に分けることが出きました。故にPCサイト/モバイルサイトという別々のサイトを作る考え方が生まれました。
そしてその頃のガラケーは十分なスペックではなかったのでサイトもPCの補助的な意味で捉えられることが主でした。(ターゲットによりそうでないケースもありました)

一方、スマホはモバイルデバイスと言われますが必ず外出時、移動時に使うもの、PCの補助的な役割かというとそうではありません。PCを持たずスマホだけ保有してスマホから詳細な情報を得ようとサイトにアクセスするユーザーもいます。外出時ではなく家でテレビを見ながら、例えその部屋にPCがあってもスマホでサイトを見ることもあります。

仮にスマホが移動時に利用するものと限定的に捉えられるのであれば店舗へのアクセスを目立つところに出すとか、情報を減らすとか、検討することができます。しかし上記で述べたようにそのように状況を限定できないので、その考え方は使えません

そのような状況なのでそのユーザーのコンテキストに合わせて最適化させることは非常に困難です。
断片的にであれば、googleのアカウントと紐付けた検索のようにパーソナライゼーションしたり、GPSを利用して家なのか外出時なのか知ることはできるでしょう。それでもやはり決定打には欠けます。

別の観点でユーザが選択するという考え方もあります。
コンテキストをある程度限定した上で、サイトなりアプリを用意しておいて、ユーザーが状況に応じて選択します。
例えばすぐに近くの飲食店を探したい状況なら位置情報からお店を探せるアプリを使用し、幹事としてじっくりお店を検討するのならwebサイトを使用する、といった具合に。このような使いかたは今もされてる方は多いでしょう。

なので、どこかでコントロールできないとい部分はあるという感覚は必要だと思います。その上でやれることはやって後はユーザーに委ねる、そういう考え方でもいいのかなと思ってます。

その辺のさじ加減も難しいところですけど、ここは模索中です。

Webデザインの変化

flat ui

Webデザインの観点から。
2013年のWebデザインのトレンドといえばフラットデザインでしょう。掘り下げるといろいろ奥深いのですが、その中で面白いと思った点を。

フラットデザインで自分が面白いと思ったのは想定するユーザーのレベルが上ってる点です。フラットデザインではアフォーダンスが最小限になってます。そこにはユーザーがスクリーンのUIに慣れてきたので過度な装飾でボタンであることを伝えなくても分かるだろう、という前提があります。
実際にはこの考えには賛否両論ですが、ただ数年前と比較してユーザーの学習レベルが上ってるのは確実です。例えばスマホを下に引っ張ってリロードするUI。iPhoneを使ってる人であればその動作を理解してる人は多いでしょう。

ユーザーの経験値というのは今後も更に上がっていきます。そしてそれによってデザインも変わってくるということです。
更にはデバイスも様々な特性のものがでてくる可能性を考えると、デザインというのもそれに応じてさらに変化してくと予想されます。

今はタッチデバイスに合わせたデザインですが、LEAP MOTIONMYORingなどのツールが広く一般に普及した時には、それを想定したデザインも求められるようになるでしょう。
上記のデバイスのところでも述べたのですが、入力デバイスが変わることでWebデザインにも影響を与えます。今後はより画面の外をみる視野が必要になってくるのかも知れません。

What is contents? What is design?

Contents is king。
よく言われる言葉ですが、自分もその通りだと考えています。その考えが行き過ぎてコンテンツに価値があればデザインは二の次、とまで考えてた時期もあります。

今はその考えも改めてますが、結局コンテンツとは何でしょうか?そしてデザインとは?

コンテンツというと記事のことと捉える方もいるようですが、”それがなくてはその情報が成り立たない部分まで全てをそぎ落としたもの”がコンテンツと考えてます。
なのでそれを伝えるのに必要な写真や図説、動画などもコンテンツとなります。

webデザインにおけるデザインとは、コンテンツをより引き立たせるあらゆる手段と考えてます。

例えば単純にコンテンツがそこにあるだけでは、使いにくかったり、読みにくかったり伝えたいものが伝わらないことがあります。それを読みやすく、使いやすく、よりコンテンツに集中できるようにするのがデザインの役割と考えてます。最近では、UI・UXなども重要とされてますし、パフォーマンスもそういう意味ではデザインの一部だと思います。

しかし、このように考えた時に疑問に思うことがあります。
例えばコンテンツにフォーカスしたデザインのmediumのヘッダーの画像。
これは情報として必要なのかと言われれば不要かもしれません。

ただ、個人的にこの画像がないよりもあったほうが興味を惹かれます。

Medium
Mediumの記事Why Good Programmers are Good Designersのキャプチャ

自分はデザインも理論的に捉えることが多いのですが、
理論では測れない感覚的な部分もやはりデザインにはあります。

最近話題のパララックスやちょっとしたUX、それらは不要な要素かも知れません。
しかし効果的に使うことでユーザーを引き込んだり、ユーザーの動機を変えることに繋がることもあります。

Medium
Killing Kennedyのキャプチャ。スクロールを効果的に使ってうまく世界観を演出してる

それは数値では図るのが難しい部分であり、
故にデザインは難しいなと改めて感じてます。

そしてこのようなUI・UXを意識したデザインはWebならではの表現です。
今まで述べてきたようにWebはWebとして進化してるので、それに伴い今までのようなピクセルパーフェクトとかそういう形ではなく、Webらしいデザインというのが今後さらに求められてくのだと思います。

そう考えた時に一番難しいのはデザインなのかも知れないです。
海外でもここ最近デザイナーの価値がかなり高くなってるようです。

まとめ

冒頭にも書いたようにそれぞれの記事は関連しててwebやインターネット、(アプリも)切り分けて考えることができませんでした。それはつまりwebというものがいろいろなものに関連してて、その世界は更に拡大してることの現れでしょう。

このまま広がっていけばライフラインと同じくらい重要になってく可能性もあるでしょう。全てのことを深く掘り下げる必要はないですけれども(時間的にも難しいので)、考え方や視野は広く持つことが大事だと考えてます。

あとがき

変化を取り入れるか受け入れるか傍観するか

Webの世界は現在進行形で変化してます。
そしてその変化に対して取り入れる、受け入れる、傍観するのパターンがあると考えてます。(もうひとつ変化を生み出す人がいますが稀なのでここでは省きます)

制作の部分でも触れたようにこの捉え方によって格差がさらに広がってるなというのが肌感覚です。進んでる人は更に進み、立ち止まってる人との差は更に広がっています。

どの立場にいるかは個人の考えや環境にもよって様々でしょう。どんどん変化を取り入れてくに越したことはないですが、範囲は広いですし広げすぎても中途半端ということにもなりかねません。限られた時間でどれを選択するかというのもまた難しい問題かもしれません。頑張って身につけたものが数年後全く使えないものになる可能性もあります。

それに関しては後述しますがスキルだけが全てでもないので、僕はその時その時で自分がやりたいと思ったことをやってます。

興味を持てないと続かないし吸収も違うでしょう。そういう意味でこの業界は好きな人のほうが強いのかもしれません。

Webの世界で生きていく

Webの世界は変化が激しくてついていくのが大変だという話をよく聞きますが、でもどこの業界であれ変化するもので特に今の時代ラクな業界なんてないんじゃないでしょうか?

ただ、個人的にはスキルを磨くことと、生き残る力は必ずしも比例はしないと思ってます。この業界にかかわらず、決してスキルが高くなくてもうまくやってる人を今までに何人も見てます。
生きてく知恵とでも言うのでしょうか。

自分も能力のある若い人に出会うと敵わないなと感じます。でもみんなが常に同じ土俵で勝負するわけではないので、自分が得意な土俵で勝負すればいいわけですし、得意な土俵がなければ作り出せばいいのです。
そういった知恵を付けてくことで単純なスキルでは勝負できなくなってもWebの世界で生きてく術はいくらでも見つかるはずです。(自分への励ましも込めて)

自分はフリーランスなので特にそう思うのかも知れませんが、特にWebのような変化の激しい世界で生きてくためにはスキルを磨くことだけでなく、この生きていく知恵というのも必要かと考えてます。

自分で考えて行動してく、それが原則かもしれません。

僕自身も相変わらずやること、やりたいことは山積みで時間が足りなくて苛立つこともありますけど、一向に終わりのないこの世界がたまらなく面白くてたまらなく好きだと感じます。

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