「Webクリエイターの誇り」CSS Nite in Vol.60のまとめと雑感

先日CSS Nite in Ginza, Vol.60「Web Creators Pride2011」に参加してきました。
webのセミナーというと技術や制作などの話が多いのですが、
今回はwebクリエイターのあり方や志など内面的な内容でした。
この様な話を聞ける機会は滅多にないので貴重な話を聞けました。

先日CSS Nite in Ginza, Vol.60「Web Creators Pride2011」に参加してきました。
webのセミナーというと技術や制作などの話が多いのですが、
今回はwebクリエイターのあり方や志など内面的な内容でした。
この様な話を聞ける機会は滅多にないので
貴重な体験でした。
内容をざっとまとめましたが、
僕の主観が入ってる部分もあることを予め断っておきます。

Web Creators Pride2011

CSS Nite in Ginza, Vol.60
今回のセッションのスピーカーは株式会社アンティー・ファクトリーの中川さん。
とても熱く興味深い内容で終始惹き付けられました。

cssnite60
(※スライドのキャプチャは許可を得て使用してます)

始めに今回のセッションのテーマです。

Web Creators Pride

直訳すると「Webクリエイターの誇り」。

Webに携わるものとしての「誇り」を持ってこの業界を発展させていこう!
このセッションを通してみなが誇りを持ち、
未来と社会のために自分を奮い立たせてくれることを希望する!

これが本セッションのゴールでもあります。

僕は正直「誇り」なんて意識したことはあまりなかったので、
ちょっと戸惑いました。
でもそれこそこのセミナーに出席した甲斐があるもの。

そもそもデザインとは何か?

まずはデザインについて触れました。

デザインとは。ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い
良い構成を工夫すること。意匠ともいう。

デザインの領域は狭義のデザインと広義のデザインで捉えることができます。

狭義のデザイン

視覚系
グラフィックデザイン、タイポグラフィ、映像、アニメーション
空間系
環境デザイン、インテリアデザイン、建築デザイン
機能系
プロダクトデザイン、ファッションデザイン、テキスタイルデザイン
その他
情報デザイン(webデザイン)、空間におけるサイン計画、インターフェイスデザイン、ゲームデザイン

広義のデザイン

コンセプトの具現化、人間の行為をより良いかたちにするために「設計」「計画」

戦略のデザイン
個人や社会集団における戦略デザイン
組織のデザイン
組織構造のデザイン
制度
制度、法律、仕組みのデザイン
プロセス
業務の流れや工程のデザイン

ソーシャルデザイン

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デザインの定義に触れた後、ソーシャルデザインについて。

これまでの社会システムが破綻し、今、ソーシャルデザインが求められています。
より社会を意識して、問題を解決する方法を考えるべき時代へシフトしてきました。

そこで、「Webクリエイターのわれわれに何ができるか?」を考えます。

Webクリエイターの領域

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Webクリエイターの領域は多岐に渡ります。
言い換えれば多くの部分で力を発揮する事ができます。

ここで一つの動画を紹介されます。
有名な「Microsoft Productivity Future Vision」です。

Microsoft Productivity Future Vision (Release: 2011)

十数年前であれば夢物語の世界です。
でも確実に我々の社会はこの未来に近づいてます。
そして我々webクリエイターその未来を作るのに大きく貢献できます。

そのためにも、

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着眼対局着手小局
全体思考をもち、社会課題を自分の問題として受け止めながら、
自分にできることを一つ一つ積み重ねて行くことが重要!

この意識が大事です。

ソフトウェア至上主義ではなくヒューマンウェア思考

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技術・プログラムからではなく、
人間の普段の思考行動をもとに組み立てる

新しい技術を追い求めるのではなく、
まずは人間的に思考、行動し本当に必要なものを考えてみます。
それは今ある技術の組み合わせで対応できるかも知れない。

様々な分野の技術との組み合わせで
次世代のデファクト・スタンダードをつくりあげる、という感覚!
と仰ってました。

具体例として下記の動画を紹介されました。

Apple iPhone 4S Siri

Kinect Effect

SiriもKinectも既に存在してる技術です。
これらの技術の使い方を工夫する事によって新たな問題解決の糸口が見つかるかも知れません。

善行のリブランディング

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良いことをするのが楽しくドキドキ感があり儲かる。
GOODであることのリブランディング。

僕自身、善行でお金を儲けても良いと思ってます。
無償の善行でその人が貧困になってしまったら本末転倒ではないでしょうか。
善行をビジネスとして行って、更にそれがワクワクするもので長く続けられて
結果善行を行う人も相手もハッピーになれば、それで良いんじゃないかなと思います。

地域に見たwebのあり方

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Webの技術・情報はやはり東京に集中してると思います。
とは言え、各地域には東京にはないそれぞれの特徴があり、
その地域にあったWebの使い方があります。

地域に目を向けて何が求められてるか考えることが必要だと思います。

21世紀社会をデザインしていくためのヒント

最後に、21世紀社会をデザインするためにどういう視点を持ったら良いか、
また最低限抑えておくデザインの原則を教えて頂きました。

モバイルファースト&スクリーン Everywhere

今後もスマートフォンの普及は右肩上がりに増え、
誰もがどこでもインターネットにアクセスできる環境を手に入れる。
モバイルファーストの考え方がますます高まる。

イノベーター理論にみる、時代・流行のポイントの見極め

一歩先というより常に0.5歩先を見据えながらアジャストするぐらいが丁度良い。

Ronald Mace のユニバーサルデザイン7原則

  • 誰でも公平に使えること
  • 使う上での自由度が高いこと
  • 使いかたが簡単で、直感的に理解できること
  • 必要な情報がすぐに見つかること
  • うっかりミスや危険につながらないこと
  • 身体への負担が軽く、楽に使えること
  • 接近したり利用するために十分な大きさと広さが確保されていること

参照:Ronald Mace のユニバーサルデザイン7原則 —Website Usability Info

ディーター・ラムス:グッド・デザインの10の原則

  • グッド・デザインは革新的
  • グッド・デザインは実用的
  • グッド・デザインは美しい
  • グッド・デザインは説明不要
  • グッド・デザインはでしゃばらない
  • グッド・デザインは誠実
  • グッド・デザインはながもち
  • グッド・デザインはディテールまでが完璧
  • グッド・デザインは環境にやさしい
  • グッド・デザインはほとんどデザインされていない

参照:ディーター・ラムス:グッド・デザインの10の原則

ヒューマン・センタード・デザイン

ユーザービリティの高い機械/システムを作ることを目的とし、
使う人間の立場や視点に立って設計を行うこと

参照:ヒューマン・センタード・デザイン | ミツエーリンクス

…上手にまとめられなかったのですが、以上です。

終わった後には、中川さんの狙い通り(?)自分を奮い立たせられた素晴らしい内容でした。
ただ、こういう熱気と言うのはその場にいないと伝わらないので、
それを伝えられないのが少し残念ではあります。

個人的感想

Webクリエイターという職種はもっと社会に関われるのだと、
もっと社会に貢献できるのだと改めて感じました。

実際スライドで見せられて、言葉で伝えられると納得なのだけど、
最近そういう意識を忘れていたなと。

できることが多いと言うのは裏を返せば大変なことなのですが、
でもそこにはやりがいがあります。

では、どのように社会貢献していくのか?
その考え方・ヒントは本セッションで中川さんが示してくれました。

そこからは自分の頭で考えてみます。

現実問題、大きな視点で問題に取り組んでも、
金額やタイミングなどの面で実現が難しいこともあるかも知れません。

ただ、常にそういった思考を持ち続けることは大事だと思います。
スポーツと同じように考えることもまた日々の鍛錬で養われるのだと僕は思います。
どんなケースであれ大局を見る姿勢でいることが大切だと思います。

着眼対局着手小局。
自分にできることは小さいけど、この言葉を胸に
大局に届くようコツコツと積み重ねていくだけです。

今の僕の仕事は地域の小さな店舗や企業のサイト制作が殆どですが、
でも仕事の大小と誇りを持つか持たないかは全く別の問題です。
どんな仕事であれ誇りを持って熱意を持って取り組むことはできます。

そもそも誇りを持てるかは自分の意識次第。
であれば同じ仕事をするなら熱意を持ってワクワクしながら
取り組んだほうがいいに決まってます。
またそういう気持ちが伝染してこの業界が盛り上がって行ったら最高だと思います。

今後も高い志を持って仕事に取り組んでいこう。

B!

Comment

コメント(2)

2011年11月25日@ 4:16 PM

いつも良質な記事をありがとうございます!私も日々、web制作をしていますが、なるべくひとつひとつ、心を込めて作るよう努力しています。そこに更にワクワクが加われば、さらにみんながハッピーになれるものが作れる、そしてそれができるのが私たちなのだと思うとパワーが出てきました。

個人的にはhiroさんの「僕自身、善行でお金を儲けても良いと思ってます。
無償の善行でその人が貧困になってしまったら本末転倒ではないでしょうか。」という言葉もとても共感しました。確かに…身体だけボロボロになってしまっては元も子もないですよね…。「身体」「質」そして「お金」…バランスよく大切にしなければ…と最近しみじみ思います。

長々と失礼しました。次の記事も楽しみにしています!

2011年11月25日@ 11:07 PM

hiro

>彩さん
ありがとうございます!
コメントを読んで僕もまた力をもらいました!
気持ちって伝染するんですね、そういうのをもっと広げていきたいと思います。

社会貢献の形は様々です。
自分にできる方法で無理なく行うことでそれが持続可能なものになると思います。
同じWebに携わるものとして頑張っていきましょう!

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