[書評] 現場のプロが教えるWeb制作の最新常識
書籍「現場のプロが教えるWeb制作の最新常識 知らないと困るWebデザインの新ルール」の書評です。
「現場のプロが教えるWeb制作の最新常識」
Kindleリクエストをポチって電子書籍版を待っていたのですが、その前に献本いただきました。ありがとうございます。
ちなみにKindleの販売も始まっているそうです。
内容について
本書は大きく4つの章に分かれてます。
- 第1章:デザイン・レイアウト・グラフィック
- 第2章:マルチデバイス対応
- 第3章:HTML&CSS&JS
- 第4章:サイト構築・管理・運用
ざっと各章について。
「第1章:デザイン・レイアウト・グラフィック」は現在のトレンドを交えながらデザインやレイアウトに付いての解説です。ここ最近のトレンドを掴むのに良いです。
フラットデザインの注意点
「第2章:マルチデバイス対応」でひとつの章が割かれるのは、まさに現在のマルチデバイス社会を表してると言えるでしょう。マルチデバイス対応の考え方、ワークフローから制作手法までが書かれてます。
モックアップ作成とインブラウザデザイン
「第3章:HTML&CSS&JS」はフロントエンド中心の内容です。数年前まではコーディングと言えば殆どの方がDreamweaverを使ってXHTML+CSSで書いてましたが、これはここ数年で劇的に変化してるのを感じます。どのような変化が起こってるのか、現在のフロントエンドではどのような手法(ツール)があるのか、この章を読めばその辺りを掴むことができます。
ポストプロセッサによるCSSの最適化
「第4章:サイト構築・管理・運用」はそのまま運用や管理について。人によっては最新の技術に目が行って疎かになりがちな部分でもありますが、ある意味サイト制作において一番重要な部分かもしれません。その他プロジェクト管理ツールなど知っておくと便利な情報の紹介など。
本来の目的に立ち返りつつあるSEOの最新情勢
現在のWeb制作を広く知る上で最適な一冊
で、これらの情報を分かりやすく要点を押さえてまとめてあります。
これだけ取り上げる範囲が多いと、普通どれかの分野についての造詣は浅くなりがちです。
ただ、そこは共著であることのメリットであり、それぞれの著者の得意とする分野で執筆されてるので、これだけの範囲をカバーしつつそれぞれの内容についてしっかりと記載されてます。
現在のWebデザインのトレンド、どのような手法やツールを使ってWeb制作をするのか、知っておくと役立つ知識やツールは何か?そのようなWeb制作において必要となる情報を広く知ることができます。
本書は”ひと通りWeb制作ができる方”を対象としてます。
内容もフロントエンド寄りな内容が多いので、フロントエンドに関わる人にはもちろんなのですが、フロントエンドに関わらずデザイナー、ディレクターなどのWebに関わる人であれば目を通しておくと良いのではないでしょうか。
もちろん立場によっては実務では使わない内容もあります。
ただ、現在のWeb制作はひとつひとつの分野が完全に独立してるわけではなく、互いの分野が関連していて、その分野の境界も曖昧になってきてます。
全ての分野を実践レベルまで身に付けるべきとは言いませんが、(そもそもそれはハードルが高い)知っているか知らないかだけでも違いは大きいです。
自分の立場を超えて全体を知ることは円滑なコミュニケーションや、手法や発想の手助けにもなります。
いろいろな方と仕事をすることが多いですが、「この辺の話を理解してもらえると楽なんだけどな」と思ったことは何度もあります。そういう意味でもWebに関わる人には読んで欲しいと言う個人的願望もあります。
何を学ぶかの指針に
Webの世界は日進月歩であり勉強の日々なのですが、最近気付いたのは「何か流行ってるからやってみよう」と思って勉強するより、それがどんな意味なのか、どんな用途なのか、どんな時に使えるのか、全体像を知ってからの取り組む方が習得できるスピードが違います。
この書籍でWeb制作全体を俯瞰して、気になる箇所を各々で深く掘り下げていく、そのような指針として本書を使用する方法もいいのかなと思います。
自分のようなフリーランスは、自分の知識が十分なのか、理解が正しいのか不安になる時があります。自分の考えてるWebの常識と世間一般のWebの常識にズレはないのか。
実はこれはフリーランスだけでなく会社勤めの方も、その社内しか知らなければ、その社内の常識が世の中の常識と錯覚してしまいがちなので、同じような危険性をはらんでます。
なのでこのような書籍を通じて現在のWeb制作を改めて見直すことでできたことは大変勉強になりました。
時々こうやって全体を見渡すのも必要かも知れません。
最後に、著者の方々とMDNさまにはこの書評をもって献本の御礼とさせて頂きます。
ありがとうございました。
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